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2008年 09月 14日
2008/09/14
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秋葉の大航海日記 第1日目後編2 8月下旬

「山田(仮)に鍾乳洞に連れて行ってもらいました」

前回の日記のおさらいはこれぐらい簡単なものに
まとめたほうが、何かブログとしてすっきりするのではないか。

そんなことを考えていると、
パソコンに向かってから既に30分が経過しているのであります。
なにか、とても無駄な時間を過ごした気分でもあるのですが、
その一方で、東野圭吾や宮部みゆきの気持ちが
わかったような気分もするのであります。
(ブログはじめて2週間で売れっ子作家気取りか)

つまり、文章を書くのは難しいものであると言いたかったのですが
「もう前置きはいいから早く本文書け」と言う声が聞こえてきそうなので、
国語論争などはやめて「沖縄旅行記第1日目」を書き上げてしまうのであります。

玉泉洞で「ああでもない、こうでもないと」
よい画が撮れそうな場所を探していたり、
いろいろカメラをいじって撮ってみたりしていると
正確な時間は曖昧なのですが、
おそらく1時間ぐらいは経過していたと思います。
撮影が終わり、外に出たときにはもうすっかり夕方でした。

船酔いに伴う吐き気も随分と収まり、フラフラ歩いていると
どうも小腹が空いているということに気付いたのであります。
思えば、朝に関空を出発し、ちょうど昼時に飛行機に乗っていたため、
今日は昼ご飯というものを食べていませんでした。

玉泉洞は「おきなわワールド」というテーマパーク内部にあり、
そこには飲食店や土産物屋などもありますので、
食べるものには困らなさそうなのであります。
そこで、何か食べるものはないかと「おきなわワールド」を徘徊していると
何か屋台のようなものがあり、いい臭いが漂ってくるのです。
その屋台には「のぼり」のようなものがたっており、
確か「トルコ料理」などと書いておりました。

屋台の前に来ると、大きな肉の固まりが棒に突き刺してあって
それが、クルクルと回っており、隣ではクレープのようなものを
ホットプレートで焼いているのであります。

様子を見ていると、回転している肉の固まりから
ナイフで少量の肉をそぎ落として、野菜などを加えてクレープで巻いて
食べるという料理のようなのであります。
中央アジア風ハンバーガーみたいなものをイメージして下さい)
軽い空腹を満たすにはちょうどよい大きさのものでしたので、
そのアジア風ハンバーガーを購入することに決めたのであります。

その時にふと気が付いたのは、山田(仮)と旅をするようになってから
随分と時間が経過しているということなのです。
ひょっとしたら、山田(仮)もお腹が空いているのではないか・・・
そういえば、僕が鍾乳洞で写真など撮っている間も、
山田(仮)は駐車場でポツーンと一人待っているのであります。

思えば、山田(仮)も最初に出会った頃と比べ、
「料金メータを止めて秋葉を玉泉洞まで案内する」などという
人として著しい成長を見せておるのです。
これは山田(仮)にもご褒美を与えないといけないと思い、
アジア風ハンバーガーを2つ購入したのであります。
もちろん一つは山田(仮)に与えるために。

その他にも紙コップに入ったビールなどを購入したのですが、
山田(仮)は運転手なので、山田(仮)の分は無しなのであります。
山田(仮)への手渡し方もいろいろ考えていて、
彼の人間的評価は上がっているとはいえ、
グラスボートの恨みは完全に消え去った訳ではないので、
渡し方は、「山田(仮)。おやつの時間だぞ」と一言だけ声をかけて渡すのであります。
このへんで、今回の旅のパーティーの主従関係をはっきりさせておくために
「山田(仮)さん料金まけてくれてありがとうございました」
などと媚びた言い方はしないぞと心に誓ったのです(注 山田(仮)は秋葉の倍近く年長)。

そういう強い意志と計画をもって、歩いていくと
沖縄ワールドの出口はもう少しのようなのです。
さらに足を進めると、何かステージのようなものがあり、
にぎやかな太鼓の音などが聞こえてくるのであります。

何の音だろう?と気になって、そのステージに行ってみると、
どうも沖縄ワールドのスタッフたちが琉球舞踊?みたいなものを
踊っていたのであります。

「せっかく、沖縄に来たのだから沖縄の文化にも少し触れなくては。
山田(仮)には悪いがもう少しだけ待ってもらおう」

そう思って、僕は椅子に腰掛けてスタッフたちの踊りを
見ることにしました。

10分ほどぼんやり踊りを見ているうちに、
何か踊りもキリがよさそうになったので、
そろそろ山田(仮)の元に戻ろうと重い腰をあげた僕の手許には
食い散らかしたアジア風ハンバーガーの紙くず2人分と、
ビールを飲み干して空になった紙コップだけが残っておりました。
山田(仮)の分まで自分で食っとん。

駐車場に出る前に、トイレに立ち寄り鏡を見て、
山田(仮)に「自分だけ美味しいもん食べて!」とツッコまれたりしないように
口元にソースなど残ってないかチェックし
山田(仮)号のところまで来ると、
山田(仮)は車の後ろで、他のタクシードライバーと雑談などしておりました。

山田(仮)は、なにか立ち寄ったところどころで
人から挨拶されるようで結構な人気者(友達多)なようなのであります。
山田(仮)はすぐに僕に気付き、怒った様子もなく「おかえりー」と言ってくれたのですが
随分待たせてしまったので、遅くなったことを詫びて、次の目的地へと出発したのです。
もちろん、アジア風ハンバーガーを山田(仮)の分まで食べたことは
内緒なのであります。

次の目的地は、第1日目の終点「首里城」なのです。
山田(仮)と出会ったときにアドバイスしてもらったとおり、
首里城に着く頃には、そろそろライトアップはじまるよーぐらいの
時間になっていたのであります。

しばらくのどかな風景を走っていたのですが、
ああ、なにか周りに建物が増えてきたなと思っていたらもう首里城に
着いてしまったようでした。
山田(仮)は、首里城入口のすぐ側まで乗せてくれたので、
僕にとって便利な反面、山田(仮)にとっては駐車場がないのであります。

片側一車線で、路肩もそんなに広くない道路であり、
観光客も多いので、そこにタクシーをずっと止めている訳にもいかず、
秋葉が首里城を見終わったら、再度山田(仮)に連絡するということを約束し
山田(仮)の携帯番号を聞き出し、山田(仮)には
他の場所で待機してもらうことにしたのであります。

冒頭の写真が首里城を向かって左から撮った画であります。
広角レンズで撮ったので、だいたいこれぐらいの大きさなのだなと
イメージしてもらえれば良いと思います。

首里城内部に入ると、琉球王朝の歴史みたいなものが
いろいろ記述してあったり、王朝にまつわるものを展示してあったりしました。
とりわけ、お城の内部では気に入った写真が撮れなかったこともあり
内部の写真は今回は省略しようとおもうのであります。

内部をゆっくりと回ってから外に出ると、もう陽はすっかり落ちておりました。
あまり、気に入ってないのですが正面から撮った画もないと
少し寂しいような気もするので、おまけ程度に付け加えると
ライトアップされた首里城の雰囲気は以下のようなものです。
こうして見てみると、思ったよりお城の規模としては小さいかもしれない。


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首里城を出ると、もうとっぷりと日は暮れておりました。
さて、山田(仮)を呼び出しホテルに戻るか」と思ったのですが
あることに気付いたのであります。

思えば、ここは首里城
近くにモノレールが走っているのであります。
「これは、山田(仮)など呼び出さずとも自分で帰れるではないか!」と。

30秒ぐらい考えたのですが、そのようなことをすると
山田(仮)にはまだお金を払っていなかったので
はっきりいって「乗り逃げ」になってしまうのであります。
そんなことをして、山田(仮)から被害届でも出されようなものなら
この日記の次回更新は


秋葉の大航海日記 2日目前半 沖縄県警での取り調べ初日


などというとんでもないタイトルになってしまいますので、
携帯電話を取り出し、山田(仮)に迎えにきてもらったのであります。

動き出したタクシーの中で山田(仮)との旅もそろそろ終わりか、
などと感傷に浸ってすっかり暗くなった那覇市の風景を見ていると
いろいろな思い出がよみがえってくるのであります。

車中の山田(仮)は相変わらずで、
「ほんとにいいの?おじさん、かわいいおねーちゃんいっぱいいる店知ってるよ?」
などと、どうしても秋葉をキャバクラのようなところに
連れて行きたくて仕方ないようなのです。

今回の旅の目的に、女の子と遊ぶなどという目的は入っておらず、
そのようなところには興味がないのであります。
第一、僕にはお付き合いしている彼女がいるのであります。脳内彼女やけど。

キャバクラへの申し出などは興味はなかったのですが、
何か不思議のもので、山田(仮)という人間には少し興味が出てきていたのであります。
そんなことを思っているうちに、普段の自分からは
想像もできないことを口にしておりました。

「山田(仮)さん、今日は本当にありがとうございました。
よかったら、夕飯などご馳走したいので一緒にいける美味しいお店を紹介して下さい」


こうみえて、秋葉受身なのであります。
某オンラインゴルフゲームでの友達登録なども、
いつも相手から登録してもらうのを待つのです。
大げさに言えば、実社会でも
自分から人を食事に誘うなどということをここ数年間したことはないのであります。
その秋葉が、お金を出してまで人を食事に誘う、しかも相手は男性であるという
普段の自分では考えられない提案をしたのでございます。
どうも、今回の旅で人間として成長したのは山田(仮)だけではなく
秋葉も人間として一回りも二回りも大きくなっていたのでした(大げさ)。
その提案に対する、山田(仮)からの回答は、


「ごめんー秋葉ちゃん。おじさん奥さんの手料理が待ってるから」
だってさ。



最後までKYなやつめ。
かわいい女の子ならともかく、およそ60歳程の山田(仮)に
勇気を出して誘ってみた食事を断られたのは相当なショックであり、
「あまり僕は、山田(仮)にとっていい客ではなかったのだろうか」
などと落ち込んでいるとホテル前に到着したのでございます。

財布など取り出しておると山田(仮)がちょっと言いにくそうに
ある提案をしてきたのであります。
その提案は以下のようなものでした。

「秋葉ちゃん、メーター途中で止めたけど、今日のおじさんとの旅、
楽しかったらもうちょっとだけ、料金上乗せして払ってもらっていいかな!」


というものでありました。
最初は山田(仮)からの提案に仰天したものの、
なにか、秋葉としてはなんだかんだ言いつつ、山田(仮)のおかげで
初日はいろいろ回ることができましたので、自分一人で
那覇市内をブラブラしているよりは楽しい経験が出来たのであります。

そこで、「いいですよ。どのくらい払ったら良いですか?」と尋ねると
「1万2000円欲しい」などと山田(仮)は言い出すのであります。
普段の秋葉であれば、「その通貨の単位は円天か」
真顔で聞いたりするところなのですが、
おそらく通常どおりメータを動かしていると、1万2000円は
ゆうに超えているほど走っているはずなのであります。
他にも結構な時間、玉泉洞や首里城で山田(仮)に退屈な思いをさせてしまいましたし、
山田(仮)のぶんのアジア風ハンバーガーを食べてしまったという
罪悪感もございましたので、1万2000円を支払うことを了承したのであります。

山田(仮)は、2日目以降も自分が他の人を乗せてなければ、
電話してくれればいつでも秋葉の元へ参上すると言い残し、
奥さんの手料理が待つ自宅へと帰って行ったのでございます。

今から思えば、そのまま山田(仮)の家まで付いていって、
奥さんの手料理などを無料でご馳走になり、
「山田(仮)は全国の繁華街を遊び歩いてた時期があって
今日は、玉泉洞で受付の女の子ナンパしてました」

と奥さんにチクッてやったらよかったと思うのであります(どれだけ迷惑かける気か)。

さて、これでもだいぶコンパクトにまとめたつもりの
秋葉の沖縄旅行記初日はこんなものなのであります。
3泊4日の沖縄旅行の残り3日ぶんは
明日以降の日記に続くのであります。
ただし、やる気が出れば(疲)。
by d-akb | 2008-09-14 22:17
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